公開日:2018.12.19 最終更新日:2021.01.05
インスタグラムが消費者の情報収集や商品購入のプラットフォームとして使われるようになった今。多くの企業がマーケティングでインスタグラムを取り入れるようになりました。
この記事では、そもそもインスタグラムマーケティングがどのようなものなのか。活用の有効性や戦略を立てるときのポイント、注意点とともにご紹介します。
インスタグラムを活用して企業のブランディングや商品の認知・販売、集客などを成功させる。
簡単に言うと、これをインスタグラムマーケティングと言います。
もともとインスタグラムは、写真を通じて不特定多数の人たちとコミュニケーションを楽しむSNSでした。
しかし今では、ユーザー行動が多様化し、単純にコミュニケーションがおこなわれるだけではなくなりました。
たとえば、ある商品の写真を見て、その商品に興味を持ち、最終的に購入に至ったり、実際に興味を持ったお店に足を運んだりするような行動が見られるようになりました。
このユーザーの行動に注目が集まり、最近では多くの企業がマーケティング活動でインスタグラムを取り入れています。
企業がインスタグラムをマーケティングで活用すべき理由は、大きくわけて2つあります。
インスタグラムのユーザー数は年々増えています。
2018年11月には2900万人だったのに対して、2019年3月には3300万人となっています。
このユーザー数は今後も伸びていくことが予想されています。これは、より多くの人たちに自社の商材を認知してもらえるチャンスが増えることを意味します。
インスタグラムの特徴のひとつに「ハッシュタグ」があります。
ユーザーは、基本的にこのハッシュタグを利用して情報を検索します。つまり、検索の段階で興味・関心のあるジャンルを絞っているのです。
これは企業側からすると、ハッシュタグの設定次第で狙いたいターゲットに自社の商材を効率的に宣伝できるメリットがあります。
インスタグラムをマーケティングで活用したほうが良い理由は、必ずしも前項のようなインスタグラム自体の特性にだけあるわけではありません。
2018年12月までに、インスタグラムはショッピング機能とぐるなびとの連携機能を導入しています。この2つは、商品購入と集客を促す魅力的な機能です。
それぞれどのような機能なのか、簡単に説明します。
インスタグラムのショッピング機能は、2018年6月にリリースされました。
今までインスタグラムでは、投稿から直接、自社HPページやECサイトなどに移動することができませんでした。
強いて言うならプロフィールにURLを載せておくことで、自社HPやECサイトに誘導することができました。ですが、これは投稿から直接移動できるものではありません。
また、投稿を見て興味を持った商品があったときのユーザーの行動は、一度Googleの検索エンジンなどで商品を再検索して探す流れが大半でした。
しかし、ショッピング機能が導入されたことで、ユーザーはインスタグラムからスムーズに自社HPやECサイトに移動できるようになりました。
ショッピング機能では、投稿された商品にタグが表示されるため、ユーザーはそのタグを押すだけで簡単に商品購入までたどり着けるようになったのです。
これにより、ユーザー側からしたら、一度インスタグラムから離れて再度、商品を探す手間を省けるというメリットがあります。
一方、企業側からしたら、ユーザーは購入意欲の高いまま商品販売ページにアクセスしてくれるので、より商品購入の確率が高くなるというメリットを得られます。
小売店など商品をユーザーに販売するサービスをおこなっている企業にとって、これは商品を拡販しやすい、または商品拡販のチャンスを手にしたと言っても過言ではないでしょう。
関連記事:インスタグラム「ショッピング機能」の設定方法から承認されないときの対処法まで
ぐるなびとの連携機能が導入されたのは2018年10月です。
この機能が導入される前のインスタグラムは、やはり前項のショッピング機能に関することと同様、直接的に飲食店の予約をおこなうことができませんでした。
興味を持った店舗を予約するための導線としては、プロフィールに記載されたURLのみ。これに気づかないユーザーは、基本的にGoogle検索などで店舗を再検索して予約をおこなっていました。
しかし、ぐるなびとの連携機能が導入されたことで、ユーザーはインスタグラムで直接、興味を持った飲食店に予約できるようになりました。
これは、ぐるなびに掲載していることが条件となるのですが、少なくともこの機能を使うことで来店してもらえる確率が上がります。
飲食店を運営している企業にとって、インスタグラムとぐるなびの連携機能は売上増大のチャンスになると言えるでしょう。
関連記事:インスタグラムとぐるなびの連携機能を導入する方法と注意点
この2つの機能を備えたインスタグラムを活用することは、商品購入&集客の可能性を飛躍的に伸ばせることになります。
これも、インスタグラムをマーケティングで活用すべき大きな理由として挙げられます。
かつてはコスメやアパレル、食品など、ビジュアルで表現しやすい商材がインスタグラムと相性が良いと考えられていました。
しかし今は、ビジュアルで表現しにくい商材でも、情報発信のやり方次第で効果的な訴求ができます。
たとえば、
だったとき、投資に関する学習コンテンツ(お役立ち情報)という形式で情報を発信していけば、投資に興味があるターゲットから関心を寄せてもらえます。その情報が価値のあるものであれば、フォローしてもらえる確率も上がります。
その後、定期的な情報発信によってフォロワーを育成したあとにセミナーを開催すれば、うまく集客につなげられることが見込めます。
インスタグラムで成果を導くためには、「誰に」「どういう方法で」訴求するか決めることが大切です。ここでは、その決め方を見ていきましょう。
※「何を」は企業ごとの商材とするので、今回は説明を省きます。
まずはマーケティングにおいてインスタグラムがどういう役割を担うのかはっきりさせます。
商品やサービスの認知拡大なのか。ユーザーとの関係性構築なのか。商品購入の場なのか。
というように、ユーザーに商品やサービスを利用してもらう流れのなかで、インスタグラムがどの位置づけとなるのか決めていきましょう。
続いて商品やサービスを訴求したいターゲットを選定します。
自社の商材をどんなユーザーに認知して欲しいのか、どんなユーザーなら自社の商材の購入または来店につながるのか、しっかり検討しましょう。
ここでは、
・化粧品が好きな30代の女性
というように漠然とした内容で大丈夫です。
ターゲットの選定はマーケティングでは欠かせない手順のひとつです。これを怠ると、見当違いのユーザーに自社の商材をアピールすることになり、思ったような成果を出すことが難しくなります。
ターゲットを決めたら、つぎはペルソナを考えていきます。
ペルソナとは、架空の人物像のことです。ターゲットより明確にその人物像を洗い出していくところに特徴があります。
▼ターゲットの場合
化粧品が好きな30代の女性
▼ペルソナの場合
性別:女性
年齢:34歳
職業:医療機器メーカーの事務職
住所と職場:渋谷の道玄坂
趣味:SNSなどで化粧品に関する情報収集
悩み:生活習慣が不規則になりがちで、肌の調子が悪い
欲望:高級化粧品を使いたい
ペルソナを決めることで、商品やサービスを利用するユーザー像をはっきりさせることができ、効果的な訴求ができるようになります。
インスタグラムを活用する際はKPIも忘れずに設定しましょう。
KPIはゴールを達成するための要素で、インスタグラムでは多くの場合、
が設定されます。
ここを指標化することで目的を果たすための要素の達成度合いがわかり、適切な運用ができているのかどうかを把握することができます。
また、施策改善に取り組むときにも役立ちます。
KPIの設定は認知度アップや商品購入、集客の成功を導くうえで重要なポイントになるので、インスタグラムを活用する際は必ず設定するようにしましょう。
単純に写真を撮って投稿しているだけではペルソナから関心を寄せてもらえません。
ペルソナから関心を寄せてもらうためには、そのペルソナにメリットとなる情報を発信していく必要があります。
では、メリットとなる情報とは具体的にどういうものなのか。企業アカウントの場合、それは以下の3つに集約できます。
ペルソナに価値を感じてもらえれば、あなたへの関心度はかなり高くなります。投稿ではこの3つの情報を発信していきましょう。
ここまで決めれば「誰に」「どういう方法で」訴求するかを明確にできるはずです。ぜひこの手順どおりに戦略を立ててみてください。
インスタグラムにはハッシュタグ検索という機能があります。
最近ではそうしたSNS上の検索機能を利用して、情報を収集するユーザーが増えています。そのためハッシュタグを上手に設定すれば、投稿、ひいてはアカウントの閲覧数を大きく伸ばすことができます。
ハッシュタグを選定するときの基本は、投稿内容と合致したワードを選ぶことです。
極端な例を言うと、帽子の写真を投稿したのに「#セーター」というハッシュタグをつけると、「#帽子」と検索したユーザーの意図とミスマッチとなります。
そうするとユーザーはあなたのアカウントに関心を寄せてくれないでしょう。最悪の場合、ネガティブな印象を抱いてしまうかもしれません。
ハッシュタグは投稿内容と合致させることを意識しましょう。
インスタグラムでプロモーションをおこなうときの戦術のひとつとして検討して欲しいのが、インスタグラマーの活用です。
インスタグラマーとは、インスタグラムにおいて高い影響力を持った人たちのことを指します。たくさんのファンがいるため、自社の商品の認知度を上げたいときなどに高い効果を期待できます。
インスタグラムマーケティングでは、自社とユーザーの関係性を高めることが大切です。インスタグラマーの活用は、それを成すうえで有効に働いてくれます。
ただし、インスタグラマーを活用するときは、自社の商材と相性の良い人を探さなければなりません。
そのコツなどについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:インフルエンサーをインスタグラムマーケティングで活用。成功の鍵は「選び方」
などの疑問をお持ちの方は、必ずチェックしておきましょう。
さて、ここまでインスタグラムマーケティングの概要や活用すべき理由、戦略を決める方法について説明してきました。ここからはインスタグラムマーケティングの注意点を見ていきましょう。
インスタグラムマーケティングでおこなってしまいがちなのが、投稿が宣伝に偏ってしまうことです。
企業としてはどうしても商品購入&集客につなげたいところですが、あまりに宣伝ばかりの投稿が目立つと、ユーザーから敬遠されてしまう可能性があります。
インスタグラムでは、自社とユーザーの関係性を高めることに重きを置くべきです。アカウントを運用していくときは、そのための投稿を心がけるようにしましょう。
ユーザーにとって身近で魅力的だと思われるようなコンテンツを投稿していくことがフォロー数やいいね数を集められ、関係値を高めることにつながります。
インスタグラムをマーケティングツールとして活用し、商品購入&集客の成果を出している企業は数多くあります。
しかし、相応の成果を出すためには、戦略的にアカウントを運用していかなければなりません。また、地道に運用を続けていくことも大切です。
毎回ユーザーに興味・関心を持ってもらえる情報を発信していくことは容易ではありません。ただ、それを地道に続けていくことこそがインスタグラムマーケティングの成功を導く鍵となります。
これらのことを踏まえたうえ、インスタグラムをうまく活用していくようにしましょう。