最終更新日:2024.07.10
そうした特徴から企業がマーケティングでインスタグラムを活用することも、当たり前の時代となりました。
本記事では、そんなインスタグラムマーケティングについて解説したものです。概要からメリット・デメリット、戦略立案のポイント、参考になるアカウントの好例までご紹介しますので、インスタグラムマーケティングに取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。
インスタグラムマーケティングを支援してくれる会社を知りたい方は下記の記事をご覧ください。
目次
インスタグラムマーケティングとは、インスタグラムを使って商品やサービスのプロモーションを行ない、ビジネスの目的を達成するマーケティング手法のことです。
現在、インスタグラムには3300万人のユーザーがいますが、幅広い年代、多数の地域で利用されています。
また、日本のユーザーはインスタグラムで投稿されている情報をきっかけに商品やサービスを購入する割合が高いことから、企業にとって魅力的なマーケティングプラットフォームとなっています。
そのため、多数の企業が認知拡大や購買促進などの効果を得るために、インスタグラムで自社商品やサービスのプロモーションに取り組んでいます。
インスタグラムマーケティングには以下のメリットがあります。
ひとつずつ説明します。
インスタグラムには3300万人ものユーザーがいます。
そうしたプラットフォームで商品・サービスの宣伝を行なうことで、認知を広げることができます。
運用のやり方次第では、あまり知名度がない商品・サービスでも露出を増やせるため、これから認知を広げていきたい企業にとってもメリットがあります。
インスタグラムマーケティングに取り組むことで、インスタグラムでの商品・サービスの購買促進が期待できるようになります。
結果、販路が増え、売上向上につながります。このように、販路拡大を期待できるところは、インスタグラムマーケティングの大きなメリットです。
インスタグラムは、コスメやアパレル、食品など、ビジュアルで表現しやすい商材と相性が良いです。
しかし現在では、ビジュアルで表現しにくい商材でも、コンテンツ次第では効果的な訴求を行なうことができます。
たとえば、
であれば、「投資に関するお役立ち情報」という形で、投資に興味があるユーザーに訴求します。そのお役立ち情報が非常に有益なものであれば、ユーザーはフォローという行動を起こし、継続的な情報発信を受容してくれます。
その後、定期的にお役立ち情報を配信したり、ユーザーと交流したりすることで、ユーザーとの関係値を上げます。そして、最終的にプロモーションを実施し、ユーザーの購買意欲を掻き立てることで、セミナーに誘導しやすくなります。
このように、ビジュアルでの訴求が難しい商品・サービスの場合も、運用方法やコンテンツの中身次第で、マーケティング効果につなげられるところも、インスタグラムのメリットと言えます。
一方で、インスタグラムマーケティングには、以下のようなデメリットもあります。
インスタグラムは画像と動画を共有できるプラットフォームです。ウェブサイトのようにテキストベースではなく、画像や動画ベースのコンテンツを制作する必要があります。
画像コンテンツ、動画コンテンツの制作が不慣れな企業にとってはリソース(人員やノウハウなど)を確保するための労力、時間の負担が大きくなります。
年々、インスタグラム運用に参入する企業は増えているため、ジャンルによっては競合アカウントが多くなり、効果を出しにくくなる可能性があります。
特にゼロからのスタートの場合、すでに競合との差が大きくなっています。そうしたときはコンテンツに力を入れ、競合との差別化を図る必要があります。
インスタグラムマーケティングには、主に4つの手法があります。
ここで言うアカウントの運用とは、フィード投稿やストーリーズ投稿、リールなどのコンテンツを更新していくやり方のことです。
更新と言っても、ただ単純にコンテンツを投稿するのではなく、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信していく必要があります。
インスタグラム広告は、フィードやストーリーズ、リールなどの投稿機能にプロモーション広告を表示できる機能です。
インスタグラム広告を上手に活用することで、商品・サービスの宣伝効果をより高めることができます。
インスタグラム上で多数のフォロワーを抱えるインフルエンサーに、商品やサービスを紹介してもらう手法です。
ただし、インフルエンサー施策は選び方にコツが必要で、フォロワーの数だけで判断しては、期待する効果を得られなくなる可能性があります。
一方で、適切なインフルエンサーを取り入れれば、そのフォロワーへの認知拡大など、大きな宣伝効果を期待できます。
インスタグラム上で商品・サービスに関係するキャンペーンを実施し、購買促進につなげる手法です。
ただし、インスタグラムでのキャンペーンには、いくつかルールが定められています。ルールを破ってしまうと、何かしらのペナルティが課せられてしまう可能性があるので、キャンペーンを実施する際は、あらかじめインスタグラムの「プロモーションガイドライン」をチェックしておくことをおすすめします。
インスタグラムマーケティングを成功させるためには、上述のインスタグラムマーケティングの手法を踏まえつつ、しっかりとした戦略を立て、計画的にアカウントを運用していく必要があります。
ここで言う“戦略”とは、商品・サービスを購買してもらうための筋道を立てることを指します。
つまり、
ということを競合調査などを通じて導き出していきます。
以下、その手順をご説明します。
まず、自社と似ているジャンルの企業がどのような運用をしているかチェックします。
必ず確認したいのは以下の5つです
調査する競合についてですが、可能であればフォロワーが多いなど、成果が出ていそうなアカウントを調査しましょう。そうすることで、ゴールを達成するまでの成功パターンを知ることができるためです。
また、時間に余裕があるのなら、あまり効果が出ていなさそうなアカウントもチェックしましょう。これは、失敗パターンを把握することで、失敗するリスクを抑えることができるためです。
競合調査によって、いくつか良さそうなアカウントをリストアップしたら、その中からロールモデルを設定します。模範となるアカウントを設定しておくことで、都度、参考にしながら運用できるようになり、効率よく成果を追えます。
KPIは、ゴールを達成するための指標です。
KPIを設定すると、ゴールの達成度合いが見えるようになるため、ゴールに向かって適切に運用できているか把握することができます。
インスタグラム運用では、
がKPIとして設定されることが多いです。
ただし、KPIは運用目的によって変わるものなので、目的に合わせて最適な指標を設定することがポイントになります。
たとえば、ブランドの認知を広げることが目的なら、「インプレッション数」や「リーチ(アカウントを訪れたユーザー数)」「ハッシュタグの使用数」「フォロワー数の増加」がKPIとして設定することが多いです。
商品やサービスを訴求したいターゲットを設定します。
自社の商材をどのようなユーザーに認知して欲しいのか、どんなユーザーなら自社の商材を購入または来店してくれるか、という部分を検討しましょう。
このときは、
・化粧品が好きな30代の女性
というように漠然とした内容で大丈夫です。
ターゲットを決めたら、次はペルソナを考えていきます。ペルソナとは、架空の人物像のことです。ターゲットより明確に、その人物像を洗い出していく特徴があります。
■ターゲットの場合
化粧品が好きな30代の女性
■ペルソナの場合
性別:女性
年齢:34歳
職業:医療機器メーカーの事務職
住所と職場:渋谷の道玄坂
趣味:SNSなどで化粧品に関する情報収集
悩み:生活習慣が不規則になりがちで、肌の調子が悪い
欲望:高級化粧品を使いたい
ペルソナを決めることで、商品やサービスを利用するユーザー像が明瞭となるため、アカウントのコンセプトやコンテンツのテーマを決めやすくなります。
続いて、アカウントコンセプトを決めていきます。
アカウントコンセプトは、そのアカウントの存在意義です。運用方針と、言い換えることもできます。
コンセプトを決めると目指すべきアカウント像が明瞭となるため、コンテンツを企画しやすくなったり、メンバー間の共通認識が図れたりと、運用面でさまざまなメリットを得られます。
また、「どのようなアカウントになるのか」をビジョンとして掲げ、それを叶える運用をすることで、ユーザーに魅力を感じてもらえるアカウントをつくれます。
それは、マーケティング効果にプラスの働きをもたらすことにつながります。
コンテンツは、ターゲットが有益だと感じられるものにすることを意識しましょう。
ユーザーメリットのあるコンテンツを発信すると、ユーザーの反応を多く獲得しやすくなります。ユーザーからの反応が多いとアルゴリズムの評価が高くなり、検索機能や発見タブでの露出増加を期待できるようになります。それが、インプレッションやリーチの増加につながります。
では、ユーザーメリットのあるコンテンツとは、具体的にどういうものか。たとえば、以下のようなものがあります。
また、近年では、画像や動画に文字入れ加工を施したコンテンツがトレンドです。実際、そのようなコンテンツは、単純な画像や動画より反応が多くなる傾向にあります。さらに、動画は静止画より閲覧時間が長くなりやすく、伝えられる情報量も多くなります。
ユーザーにとって有益な情報を発信していくことはもちろん、静止画だけでなく、動画も発信していくことをおすすめします。
ここまでの内容を決めれば、「どのようなアカウントをつくるべきか」「どんなユーザーにどのようなコンテンツを届けるべきか」ということがわかるようになります。
運用の方針が定まるので、質の高いアカウントやコンテンツを制作できたり、効果的な認知拡大施策を実施できたりと、効率よくアカウントを運用していくことができます。
商品・サービスの購買につなげるためには、まずユーザーにアカウントを認知してもらう必要があります。アカウントの認知を広げる手法としては、以下の3つが一般的です。
インスタグラムにはハッシュタグ検索という機能があります。
最近ではそうしたSNS上の検索機能を利用して、情報を収集するユーザーが増えています。そのためハッシュタグを上手に設定すれば、投稿、アカウントを発見して閲覧数を大きく伸ばすことができます。
ハッシュタグを選定するときの基本は、投稿内容と合致したタグを選ぶことです。極端な例を言うと、帽子の写真を投稿したのに「#セーター」というハッシュタグをつけると、「#帽子」と検索したユーザーの意図とミスマッチとなります。
そうすると、ユーザーはあなたのアカウントに関心を寄せてくれないでしょう。最悪の場合、ネガティブな印象を抱いてしまうかもしれません。ハッシュタグは、投稿内容と合致させることを意識しましょう。
なお、検索機能での露出を増やすためには、ユーザーから高く評価されるコンテンツをつくることが大前提となります。
影響力があるインフルエンサーには大勢のファンがついています。
そうしたインフルエンサーを活用することで、多くのユーザーに商品やサービス、アカウントを認知してもらえます。効率よく認知を広げることができます。
ただしインスタグラマーを活用するときは、自社の商材と相性の良い人に依頼する必要があります。
インスタグラム広告は、フィードやストーリーズ、リールなどに広告を表示させることができる機能です。フェイスブック広告と同様、ターゲティングの精度が非常に高いことで知られています。
インスタグラム広告を活用することで、広告をきっかけに不特定多数のユーザーにアカウントの存在をアピールできます。通常投稿と同時に活用することをおすすめします。
フォロワーと密にコミュニケーションを取ることで、フォロワーと良好な関係を築いていくことができます。
フォロワーと良好な関係を築くことができれば、ブランドへの信頼感や愛着を持ってもらえるようになるため、商品やサービスを宣伝したときの印象も好意的なものになります。
また、継続的な交流はフォロワーの想起集合に入りやすいというメリットもあるので、商品・サービスの購買促進を図る際は、フォロワーとのコミュニケーションが欠かせません。
フォロワーとの交流では、主に以下の3つの手法があります。
情報発信が滞ると、どうしてもアカウントの存在を忘れられてしまいます。メリットを感じてもらえなくなり、フォローを外されてしまう可能性が上がります。定期的なコンテンツの配信は、そんなリスクを軽減し、フォロワーとの良好な関係性を維持してくれます。
また、キャンペーンと言うと、主にプレゼントキャンペーンがイメージされますが、ユーザーに楽しんでもらうことを意識しつつ、良好な関係を築いていく際は、ユーザー参加型のキャンペーンがおすすめです。
たとえば、
1.商品・サービスに関するアンケートの実施
2.アンケート結果に基づいたユーザーの分析
3.分析結果を踏まえた商品・サービスの改善
このような企画は、フォロワーをブランドと一緒に商品・サービスを作り上げているという気持ちにさせ、商品・サービスへの関心を高められる働きを期待できます。
フォロワーと交流すると同時に商品やサービスの宣伝を行ないましょう。
商品やサービスを知ってもらえなければ、商品やサービスを購買してもらうことはできません。遠慮して宣伝しなければ、いつまで経ってもゴールを達成できないままです。
もちろん、過度な宣伝はフォロワーから嫌われますが、宣伝が少なすぎることも問題です。継続的な交流によってフォロワーの購買意欲が高くできていると思えたら、積極的に宣伝していきましょう。
また、商品やサービスを宣伝する際はユーザーニーズを意識することが重要です。
たとえば、ショルダーバッグであればユーザーは
などのことを知りたいと考えられますが、
このような宣伝方法では、ユーザーはそのショルダーバッグを使っているイメージや、使うことで得られるベネフィットを感じることができず、購入まで至りにくくなります。
上記のようなコンテンツでもいいですが、それと同時に
このようなコンテンツも発信するといいかもしれません。
これはあくまで例なので、実際にユーザーが求める情報とは限りませんが、「ユーザーが購入を検討しているときに得たい情報は何か」を考え、それに応える情報を提供することで、購買意欲を高められることが期待できます。
ユーザーの購買意欲が高いまま目的の場所に移動してもらうためには、ゴールまでの導線を明確にする必要があります。
インスタグラムで商品・サービスの購買促進を行なう場合、主な導線としては以下のものがあります。
また、導線を設置したら、ユーザーに対して次の行動を明確に示すことも忘れずに行ないましょう。
起こすべき行動を明確にすることで、ユーザーの次のアクションを促すことができます。ユーザーを目的の場所に誘導しやすくなるため、商品・サービスの購買につなげやすくなります。
ここからはインスタグラムを上手に運用している企業アカウントの好例を2つご紹介します。
参照:マンダリンブラザーズ
こちらの記事では、ほかにもいくつか企業アカウントの好事例をまとめています。ぜひ一度、目を通しておくことをおすすめします。
→インスタグラム集客、マーケティングで参考になる企業アカウントの好事例
インスタグラムマーケティングで行なってしまいがちなのが、投稿が宣伝に偏ってしまうことです。企業としてはどうしても購買や集客につなげたいところですが、あまりに宣伝ばかりの投稿が目立つと、ユーザーから敬遠されてしまう可能性があります。
インスタグラムでは、自社とユーザーの関係性を高めることに重きを置くべきです。繰り返しになりますが、アカウントを運用していくときは、そのための投稿を心がけるようにしましょう。
ユーザーにとって身近で魅力的だと思われるようなコンテンツを投稿していくことが、フォローやいいねという行動につながり、関係性を向上させてくれます。
近年、インスタグラムは幅広い層に利用されていますが、アプリの特性上、「Z世代」や「ミレニアム世代」の利用者が多い傾向にあります。
そのためそれらの世代向けの商品・サービスを提供している場合、訴求できるユーザー層が増えることから、一定の成果を得やすくなります(もちろん、競合も増えますから成果が出るとは限りません)。
一方、「ジェネレーションY」「Z世代の親世代」「シニア世代」向けの商品・サービスを提供している場合、訴求できるユーザー層が限られてくることから、一定の成果は得られても、それが期待するほどのものではない可能性が出てきます。
これは、目標(成果の大小)によるので、一概に成果を感じられないというわけではありませんが、商材・サービスによってはこのような側面があることは、あらかじめ理解しておくことが大切です。
インスタグラムマーケティングを成功させるためには、戦略的にアカウントを組み立て、運用していくことが重要になります。
何となくで運用していては成果につなげることはできませんので、インスタグラムで商品・サービスの購買促進を達成したい方は、ぜひ今回ご紹介してきたインスタグラムマーケティングの手法やコツを参考に、アカウント運用に取り組んでみてください。
→CIN GROUPのインスタグラム運用代行サービスを見てみる
この記事の監修
Instagram運用ディレクター
鈴木
これまでに100社以上のInstagram運用を支援。企画力に定評があり、現在も指名される形で数十社のアカウント運用をサポート中。
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