最終更新日:2024.10.18
インスタグラムを活用して優秀な人材、ポテンシャルのある人材を確保するには、アカウントを構築する方法や、採用成功につながる運用のポイントを知っておくことが大切です。
この記事では、インスタグラムを活用して人材確保を目指したい採用担当の方のために、インスタグラム採用の始め方や運用のポイントをご紹介します。
ぜひ参考のうえ、インスタグラムを上手に活用してください。
目次
インスタグラム採用は、主に若年層へのアプローチに効果的な採用手法です。
現在のインスタグラムは、10代~60代まで幅広い年代のユーザーに利用されています。
しかし、メインは10代~30代です。
総務省がまとめた『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』でも、年代別のインスタグラムの利用率は10代~30代がほかの年代と比べて多い結果となっています。
そのため、特に採用ターゲットが若年層の企業は、インスタグラムを上手に活用することで、採用効果を期待することができます。
インスタグラム採用には、主に2つの手法があります。
ひとつが「アカウント運用」で、もうひとつが「インスタグラム広告」です。
アカウント運用は、採用アカウントを開設し、社員の日常や職場の雰囲気を発信する方法です。就職活動中のユーザーは、まるで企業の日常をのぞき見るような感覚で情報を閲覧できます。
一方、広告出稿は、インスタグラムのフィードやストーリーズに採用広告を掲載する手法です。これは、ターゲットを絞って短期間で多くのユーザーにリーチできる点が魅力です。
たとえば、特定の地域や年齢層などで絞るなどし、ユーザーの興味関心に合わせて広告を配信できるため、効率的な採用活動が可能になります。
インスタグラムを活用した採用活動には多くのメリットがあります。
まず、視覚的な訴求で企業の魅力を発信できる点です。
「百聞は一見に如かず」という言葉がある通り、写真や動画を通じて企業の魅力を発信することで、直感的に企業の魅力をユーザーに伝えられます。たとえば、オフィスの雰囲気や社員の紹介、イベントの様子など、文字だけでは伝わりにくい情報も、一目で伝えることができます。
また、社風の可視化によるミスマッチ防止もメリットとして挙げられます。リアルな職場の様子を発信することで、求職者は入社前に企業文化をより深く理解できます。これは、入社後のギャップを減らし、早期離職の防止にもつながります。
さらに、インスタグラム採用は転職潜在層へのリーチも可能です。インスタグラムは求人サイトとは異なり、日常的に利用するSNSのため、現在転職を考えていない人材にも自然とアプローチできます。これは、将来的な採用候補者の発掘にもつながります。
最後に、採用コストを削減できる点も大きなメリットです。インスタグラム運用はアカウントを開設し、投稿すること自体、無料でできるものです。インスタグラム広告を利用したとしても、従来の求人広告より低コストのため、採用にかけるコストを抑えながら採用活動ができます。
インスタグラム採用には、魅力的な側面がある一方で、デメリットもあります。
まず、継続的な運用が必要な点です。
基本的にSNSは即効性のある媒体ではありません。一定の効果が表れるまでに時間がかかるため、それまで地道に運用を続けるパワーを割く必要があります。
次に、マーケティングやコンテンツ制作のスキルが求められる点です。
魅力的な投稿を作成するには、写真や動画の編集技術、キャッチーな文章力などが必要になります。そうしたノウハウがない企業にとっては、インスタグラム運用が辛いものになるリスクがあります。
さらに、炎上リスクを考慮しなければならない点もデメリットとして挙げられます。SNSでは、不適切な投稿は瞬く間に拡散されます。もし、不適切な投稿が拡散されれば、企業イメージを損なう可能性があります。これは、企業の事業運営にも大きく影響するものです。
インスタグラム採用の始め方をシンプルに解説します。
インスタグラム採用は次の2ステップで始めることができます。
①アカウントを立ち上げる
②コンテンツを投稿する
まずは、企業の採用アカウントを作成します。
アカウントの立ち上げ自体は非常に簡単です。Instagram公式より、手順に沿って登録を進めるだけです。早ければ数分で立ち上げることができるでしょう。
このアカウントの立ち上げで大きな課題となるのは、魅力的なアカウントのつくり方です。
下記、アカウント作成のポイントをご紹介します。
インスタグラムアカウントを運用するうえで、まず最初に明確にすべきなのが目的です。
なぜインスタグラムを活用するのか、どのような効果を目指しているのかを具体的に定義します。
たとえば、企業の認知度向上、ユーザーとのエンゲージメント強化などがあります。
目的が明確でないと、適切なターゲット設定やコンテンツ戦略の立案が難しくなります。
また、運用開始後も目的に沿った効果測定ができず、PDCAサイクルを回すことが困難になります。
そのため、アカウント設計の第一歩として、運用目的を明確にし、チーム内で共有しておきましょう。
次に、ターゲットを明確に定めます。
インスタグラムは幅広い年齢層に利用されていますが、自社のターゲットに合わせて、より具体的なペルソナを設定することが大切です。
たとえば、「20代女性で自己成長のために転職先を探している人」をターゲットにするなら、彼女の仕事上での悩みなどを詳細にリサーチし、ペルソナを作成します。このとき、年齢や性別だけでなく、職業、家族構成、趣味嗜好、購買行動なども含めて、できるだけリアリティのある人物像を描くことを心がけます。
このようにターゲットを明確にすることで、共感を呼ぶコンテンツの制作やフォロワーとの効果的なコミュニケーションが可能になります。ターゲットが曖昧だと、情報発信がブレてしまう恐れがあるので、しっかりとペルソナを固めましょう。
ターゲットを明確にしたら、次はそのターゲットが求めている情報を調査します。
たとえば、「20代女性で自己成長のために転職先を探している人」なら、企業探しのときに仕事内容や仕事上でのやりがい、さらに評価制度の情報を求めている可能性があります。
このような調査によってターゲットユーザーのニーズを発見できたら、それを満たすコンテンツを提供すればいいことがわかります。
競合他社のアカウントを分析することも、効果的なインスタグラム運用で欠かせません。
同業他社や、ターゲットが似ているアカウントを参考にすることで、自社の強みや独自性を見い出すヒントを得られます。
たとえば、フォロワー数が多いアカウントを見て、投稿の頻度やテーマ、写真の撮り方などを分析してみましょう。「なぜ」このアカウントが支持されているのかを考えることが重要です。
一方で、単に真似をするのではなく、自社ならではの価値をどう打ち出せるかを意識することも大切です。競合との差別化ポイントを明確にし、ターゲットに刺さるオリジナリティあふれる発信を心がけましょう。
ロールモデルから学びつつ、自社色を存分に発揮することが、インスタグラム採用の成功の鍵を握っています。
成果を測る指標(KPI)を設定することも重要なステップです。
目的に合わせて、フォロワー数、エンゲージメント率、ウェブサイトへの流入数など、適切な指標を選びましょう。たとえば、ブランド認知度向上が目的なら、リーチ数やインプレッション数などを重視します。
そしてKPIを設定したら、定期的にデータを分析し、必要に応じて改善策を打ち出します。PDCAサイクルを回すことで、目的達成に向けて着実にアカウントを成長させることができます。
投稿の頻度や時間など、運用スケジュールを設定することも大切です。
運用スケジュールを管理することで、フォロワーとの安定的な関係構築が可能になります。
たとえば、「毎日、昼の12時にコンテンツを投稿する」「週に1回金曜日の夜にお役立ち情報を発信する」など、具体的なルールを決めておくとよいです。
また、フォロワーの反応を見ながら、投稿内容や頻度を柔軟に調整していくことも重要です。
スケジュールは目安として設定しつつ、状況に応じて最適化を図ることが、長期的な成果に結びつく要因となります。
プロフィールは、インスタグラムアカウントの顔とも言える大切な部分です。
まずプロフィール名では、ターゲットユーザーに響く一文を考えましょう。
単純に会社名のみでもいいのですが、たとえば、ターゲットユーザーが「20代の自己成長を目指す女性」であるなら、「20代女性が活躍中の〇〇〇(会社名)」というようにすると、ターゲットユーザーの興味関心を引きやすくなります。
続いてプロフィール文では、そのアカウントで発信している情報を簡潔にまとめます。他社にはない独自の強みがあれば、それを記載するのも良いでしょう。
※上記はあくまで例であり、必ず記載すべき情報として推奨するものではありません。
会社の雰囲気を伝えることは、インスタグラム採用において非常に重要です。
なぜなら、求職者は会社の雰囲気を知ることで、自分がその会社に合うかどうかを判断できるからです。
オフィスの様子、社員同士のコミュニケーション、イベントの様子など、日常的な風景を投稿し、会社の雰囲気を伝えてみましょう。
たとえば、社員同士が楽しそうに会話している写真だったり、オフィスの自由な雰囲気が伝わる写真だったり。
また、会社の文化や価値観を表す投稿をするのもポイントです。社是や経営理念、社員が大切にしている価値観などを、写真や動画で発信してみましょう。求職者は、会社の文化や価値観に共感できるかどうかも重要視しています。
会社の雰囲気を伝えることで、求職者との良いマッチングにつながることが期待できます。
働く社員や代表の生の声を発信することも、インスタグラム採用では重要なテクニックです。求職者は、実際にその会社で働いている人の声を聞くことで、会社の雰囲気や働き方をよりリアルに感じ取ることができます。
たとえば、社員インタビューの動画を投稿したり、代表者が会社の想いを語る動画を配信したり。社員の仕事への想いや、働くうえでのやりがいなどを赤裸々に語ってもらうことで、求職者の共感を得やすくなります。
働く人の生の声は、求職者にとって、その会社で働くイメージを膨らませるうえで欠かせない要素です。ぜひ、社員や代表の声を積極的に発信していきましょう。
インスタグラム広告を併用することで、より多くの潜在的な求職者にリーチできます。
自社アカウントのフォロワーだけでなく、広告ターゲティングに合致するユーザーにもアプローチが可能になります。採用に特化した広告を出稿し、求職者を自社アカウントに誘導してみましょう。
その際、広告のクリエイティブは、求職者の興味を引くものにすることが大切です。たとえば、社員インタビューの動画や、働く社員の写真を使用するのもひとつの手です。
インスタグラム広告は、比較的安価で高い効果が期待できる施策です。ぜひ、自社アカウントでの情報発信と併せて活用してみてください。
フォロワーとのコミュニケーションは、インスタグラム採用を成功させるうえで欠かせません。フォロワーとのやり取りは、会社への理解や共感を深めてもらえるきっかけになるからです。コメントへの返信はもちろん、DMでのやり取りにも積極的に応じましょう。
求職者からの質問や相談に丁寧に対応することで、会社の印象をポジティブなものにできます。フォロワーとのコミュニケーションを大切にし、求職者と信頼関係を築いていきましょう。
ストーリーズのアンケート機能を使って、フォロワーの意見を聞くことで、より効果的なコミュニケーションを行なえます。
たとえば、「どんな職場環境だと働きやすいですか?」「うちの会社に入社するとしたら、どんなことを期待しますか?」といった質問をストーリーズで投げかけてみましょう。
フォロワーの生の声を聞くことで、求職者が会社に何を求めているのかを知ることができます。また、アンケートに答えてくれたフォロワーとは、その後、DMでさらに深い交流ができるかもしれません。
アンケートの結果は、採用活動の改善に役立てられますし、求職者の意見を聞くことで、会社をより魅力的にするための課題を発見できるかもしれません。
ストーリーズのアンケートは、手軽に求職者の声を集められる便利な機能ですので、ぜひ活用してみましょう。
ライブ配信によってリアルタイムでフォロワーとコミュニケーションを取るのもおすすめです。たとえば、会社説明会や座談会などをライブ配信で行ない、直接対話したり、視聴者からの質問に答えたりすることで、求職者の疑問や不安を解消できます。結果、会社への理解が深まり、応募への意欲も高まります。
また、社員による業務紹介や、職場の雰囲気が伝わる映像を配信するのもポイントです。リアルな職場の様子を知ることで、求職者は自分に合った企業かどうかを判断しやすくなります。さらに、ライブ配信後は、アーカイブとして保存しておくことで、求職者がいつでも視聴できるようになります。
ただし、ライブ配信は期待するほど視聴者を集客できない可能性もあります。一度、試してみて視聴してくれる人が集まらなかった場合は、配信頻度を減らしたり、配信自体を止めたりし、ほかの作業にリソースを割くのがおすすめです。
ちなみに、ライブ配信は配信の時間帯が重要です。求職者が落ち着いた環境で視聴できる時間帯に配信しましょう。具体的な時間はターゲットユーザーによって変わりますが、おおよそ20時~21時くらいが、ユーザーが視聴しやすい時間帯です。
インスタグラムをうまく運用すれば、採用効果を期待することができます。
ただし、インスタグラム運用による採用効果は、即効性を期待するのが難しく、地道にアカウントを育てたり、さまざまな施策を試したりする必要があります。
効果が出ないからといって運用を止めるのではなく、求人サイトやエージェントと併用しながら、長期的な視点でアカウントを運用していきましょう。
この記事の監修
Instagram運用ディレクター
鈴木
これまでに100社以上のInstagram運用を支援。企画力に定評があり、現在も指名される形で数十社のアカウント運用をサポート中。
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