最終更新日:2024.10.24
旅館・ホテルはインスタグラムでよく投稿される情報です。
実際、以下のハッシュタグで検索してみるとヒット件数は万を超えます。
#旅館:87.3万件
#ホテル:248万件
#宿泊施設:8万件
では、ユーザーがよく発信する旅館・ホテルは、インスタグラムを活用することで集客効果を期待できるのでしょうか。
この記事では、旅館・ホテルがインスタグラムを活用すべき理由と、集客効果を導く旅館・ホテルのインスタグラム活用法を解説します。
目次
旅館・ホテルがインスタグラムを活用すべき理由は2つあります。
・旅行先選定の情報収集においてSNSも使われている
・海外旅行客も情報収集の手段としてSNSを活用している
2022年に公益財団法人日本交通公社が全国の16〜79歳の男⼥(調査会社のパネルより抽出)を対象に実施した調査(日本国内におけるSNS・写真に対する意識/実態)によると、旅行先を選ぶ際の情報収集手段として「SNSやブログ、動画投稿サイト」の割合が15.3%となりました。これは17ある選択肢のうち4番目に多い結果です。
1.インターネットの検索エンジン(51.7%)
2宿泊施設のHP(27.5%)
3.インターネットの旅行専門サイト(20.9%)
4.SNSやブログ、動画投稿サイト(15.3%)
ただし、性別・世代別で見てみると、「SNSやブログ、動画投稿サイト」の割合は大きく変わります。
たとえば、男性のZ世代では「SNSやブログ、動画投稿サイト」が37.2%で、1番目の「インターネットの検索エンジン」(51.2%)に次いで多い結果となっています。
また、女性のZ世代では「SNSやブログ、動画投稿サイト」が 47.8%で、1番多い結果となりました。
女性のミレニアル世代では、「SNSやブログ、動画投稿サイト」が46.5%で、「インターネットの検索エンジン」の48.8%に次いで多いです。
これらの結果からZ世代やミレニアル世代は、旅行を計画する際の情報収集の手段としてSNSをよく利用していると言えます。
株式会社UtakataがZ世代(1996年から2012年生まれ)の男女を対象に実施した調査(Z世代の60%が旅行プラン決めにSNSを使用!映えスポットなどの写真が多い「Instagram」が人気【Utakata調査】)でも、旅行プラン選定にどの媒体を利用するかという問いに対して、「インスタグラムを利用する」と回答した人は全体の33.12%となり、情報収集の媒体として最も多い結果となっています。
このことから、現在のインスタグラムは旅行プランを計画する際に情報収集の媒体として利用されることが多くなり、その情報が旅行先選定に大きく影響すると言っても過言ではなくなっているということが言えます。
SNSの活用は、インバウンド集客でも大きなメリットがあります。
実は近年では、訪日観光客も情報収集手段のひとつとして、SNSを利用しています。
インバウンド専門メディア『やまとごころ.JP』が実施した調査(【独自調査】外国人旅行者のインバウンド動向、訪日旅行の情報収集・最も参考にしたWebサイトは?)によると、訪日観光客が旅行の情報収集にあたって参考にしたものとして、SNSと回答した人が最も多かったそうです。特に東南アジアからの観光客は、半数以上がSNSが最も参考になったとのこと。
この調査では、具体的にどのSNSが利用されているか言及されていませんが、インスタグラムは全世界でTOP5に入る利用者数を誇るSNSです。
訪日観光客がインスタグラムの情報を旅行先選定の参考にしている可能性は高いと言えます。
国内旅行者も訪日観光客も情報収集手段のひとつとしてSNSを活用する時代となっています。
旅館・ホテルがインスタグラムで魅力を発信することで、集客につながることが期待できます。
これが、旅館・ホテルがインスタグラムを活用すべき理由です。
旅館・ホテルがインスタグラムを活用することには、次のようなメリットもあります。
一般的に旅館・ホテルの集客といえば、何かしらの媒体や旅行エージェントを利用します。
先に取り上げた公益財団法人日本交通公社が実施した調査の結果からもわかりますが、検索エンジンや旅行専門サイトが旅行先選定の情報収集でよく使われているため、媒体や旅行エージェントを利用すれば、集客を有利に進められることが期待できます。
しかし、そのぶん掲載料や手数料も大きなものになりがちです。媒体や旅行エージェント経由で予約が入った場合、宿泊費の何割かを手数料として支払っているケースもあるでしょう。
一方で、インスタグラムは無料で利用できます。手数料などがかからないため、インスタグラムでうまく集客すれば、売上につなげることができます。
これは、旅館・ホテルにとって大きなメリットと言えます。
ここでは、実際にどのような運用をすればいいのか、旅館・ホテルのインスタグラム集客のコツを解説していきます。
旅館・ホテルのクリエイティブは、いくつかパターンが考えられます。旅館・ホテルによってターゲットユーザーが異なりますし、実際にゲストとなってくれている客層も違うため、ここでご紹介するクリエイティブのパターンが正解というわけではありませんが、最適解を見つけるヒントにはなると思います。ぜひ参考にしながらクリエイティブを考えてみて欲しいと思います。
インスタグラムのアカウントを構築する際、ブランドコンセプトを意識するかと思いますが、普段の投稿からそれが伝わるようにすることが大切です。
「どのような人に利用して欲しいのか」
「どのような人がゲストとなってくれているのか」
「利用されている理由は何か」
「どんな雰囲気の旅館・ホテルなのか」
これらのことが一目で伝わるように意識しながら、宿泊施設の外観や客室の雰囲気、設備(アメニティなど)、浴場、レストラン、食事の内容などの投稿を考えていくとよいです。併せて、この旅館・ホテルでしか味わえない体験があることが伝わる魅力的でわかりやすい投稿をしていきましょう。アカウントを発見してくれたユーザーが関心を持ち、ゲストとなってくれるようなポイントを見つけ、そこを訴求していくと効果を期待しやすくなります。
もし、宿泊施設の立地にメリットがあるのなら、それをアピールすることも大切です。たとえば、最寄駅から近ければ、「最寄駅から徒歩〇分」というような文言を入れるとよいです。アピールする場所としては、プロフィールやフィード投稿、ハイライトがあります。ほかにアピールしたい情報とうまく調整しながら盛り込みましょう。
また、宿泊施設の近くに人気スポットがあるなら、その旨も発信しましょう。人気の観光地は旅行雑誌や旅行メディアなどで取り上げられることが多いので、国内・国外から人が集まります。その人気スポットの近くに宿泊施設があることをアピールすれば、立地上のメリットから関心を持ってもらいやすいです。「人気スポット〇〇まで徒歩5分」というようなアピールをした
繰り返しになりますが、株式会社UtakataがZ世代を対象に実施した調査によると、旅行プランを立てる際に「インスタグラムを利用する」と回答した人(全体の33.12%)のうち、その理由として25%が「インスタ映えスポットがわかりやすい」と回答しました。
この調査結果から、Z世代は映えスポットの情報も旅行プランを立てる際の参考にしていることがわかります。もし、宿泊施設や宿泊施設の近辺に映えスポットがあれば、その情報を発信することで、映えスポットを求めるユーザーからアカウントを発見してもらえる機会が増え、旅館・ホテルの認知向上につながることが期待できます。映えスポットの情報も投稿として発信していくことがおすすめです。
旅行ジャンルというと宿泊施設の外観や観光地などにスポットが当てられがちですが、その旅館・ホテルで働くスタッフの人柄が伝わるクリエイティブもおすすめです。
「どのような人が接客してくれるのか」「その人はどんな人なのか」がわかると、その旅館・ホテルへの親近感が湧き、イメージアップにより宿泊先選定で選んでもらいやすくなる働きを期待できます。
「スタッフ紹介」のようなクリエイティブも投稿のひとつとして検討することをおすすめします。
クリエイティブが魅力でも、それを認知してもらえなければ意味がありません。ここでは、クリエイティブを拡散するテクニックを解説します。
ハッシュタグは、ハッシュタグ検索での露出度に影響するポイントです。ハッシュタグを上手に選定し、ハッシュタグ検索での露出度向上につなげましょう。ハッシュタグ選定のコツとしては、次のようなものが挙げられます。
まず、前提としてクリエイティブの内容と一致したハッシュタグ、もしくはクリエイティブの内容と近しいハッシュタグを選定する必要があります。ランキングに影響するシグナルは、クリエイティブの内容とハッシュタグがどれだけ合致しているかをチェックするためです。クリエイティブとの関連性が低いハッシュタグを選定すると、評価が上がらず、検索での露出増加につながりません。必ずクリエイティブと関連性が高いハッシュタグを選びましょう。
また、ハッシュタグを選定する際は投稿数を見ることもポイントです。投稿数は、そのハッシュタグを設定しているクリエイティブの数を表し、数が多ければ多いほどニーズがあることを示します。ただし、投稿数が多いハッシュタグ(ビッグハッシュタグ)はそれだけ競合が多いことを意味するため、なかなか露出増加につながりません。
そこで、投稿数が少ないハッシュタグ(スモールハッシュタグ)、投稿数が中くらいのハッシュタグ(ミドルハッシュタグ)も一緒に設定します。一般的にスモールハッシュタグは、最大で数千の投稿数があるものを指します。一方、ミドルハッシュタグは、投稿数が1万-10万のものです。投稿数は、ハッシュタグ検索で調べることができるので、確認しながらハッシュタグ選定を進めてみてください。
さらに、その旅館・ホテル独自のハッシュタグ(オリジナルハッシュタグ)を作成し、そのハッシュタグの認知を広げていくことで、投稿を拡散する手法もあります。オリジナルハッシュタグによる拡散は、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の促進とセットで行なうと効率的なため、後述しますが、UGC生成もあわせて取り組むことがおすすめです。
「ゲストにクリエイティブを投稿してもらう」とは、旅館・ホテルを利用してくれたゲストに、宿泊施設に関係するクリエイティブを投稿してもらう方法です。ゲストに投稿してもらうことで、そのゲストのフォロワーに旅館・ホテルの存在をアピールすることができます。
やり方のひとつとして、「滞在中に感じた良かった点、悪かった点をぜひSNSで投稿してください」という利用者調査でUGC生成を促す方法があります。その際に旅館・ホテルの情報がまとめてあるオリジナルハッシュタグをつけて投稿してもらうことで、オリジナルハッシュタグを認知したユーザーに、旅館・ホテル側のクリエイティブとゲストのクリエイティブを見てもらうことができます。
インフルエンサーに旅館・ホテルの投稿をしてもらうことも拡散でおすすめです。
インフルエンサーを起用する方法として一般的なのは
インフルエンサーと言うと、「フォロワーが数十万、数百万いて華やかな…」というイメージがありますが、近年の傾向ではフォロワーが数千~数万でも、しっかりとターゲットが定まっていて、一つひとつの投稿のエンゲージメントが高い人のほうが宣伝・集客効果が高いケースも出てきています。
たとえば、「子どもにおすすめの遊び場・旅行先をメインに発信しているアカウント」などです。そのため、インフルエンサーを選定する際は、単純に有名人を選ぶのではなく、旅行ジャンルまたはそのジャンルに近いアカウントで、かつエンゲージメント率が高く、フォロワーから評価されている人にすることを検討してみてください。
この章でまとめた活用法は、どの旅館・ホテルにも当てはまるものではありません。ただし、宿泊施設や観光地に関するクリエイティブを作成し、それを拡散することは、ゲストになってくれそうなユーザーの関心を引くうえで有効です。最適解を見つけるためにも、ぜひ検討してみてください。
近年では、情報収集のためにSNSを利用する人が増えてきています。この傾向は、全年代で見られていますが、特に若い世代はインスタグラムの情報を参考に、旅行計画を立てることが多いようです。旅館・ホテルの宣伝、集客のためにも、ぜひインスタグラムを活用してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修
Instagram運用ディレクター
鈴木
これまでに100社以上のInstagram運用を支援。企画力に定評があり、現在も指名される形で数十社のアカウント運用をサポート中。
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