最終更新日:2024.09.06
もし、あなたが好きなインスタグラマーが、ある商品・サービスを「おすすめ!」と言って紹介していたら、どう思いますか?
きっとその商品・サービスに興味を持つのではないでしょうか。
SNS全盛の今、消費者の心を掴むのは、テレビCMや雑誌広告などの従来の広告手法ではなく、身近な存在である「インスタグラマー」かもしれません。
この記事では、インスタグラマーの概要から種類、起用する際の注意点、選び方まで徹底解説します。
目次
簡単に言うと、インスタグラマーとは「インスタグラム上で多くのフォロワーを持ち、発信力のある人」のことを指します。たとえば、美容に詳しい人がコスメの紹介をしたり、旅行好きの人がおすすめの観光スポットを発信したりと、その内容はさまざまです。
重要なのは、彼らが単に情報を発信するだけでなく、多くのフォロワーからの共感や支持を集めている点です。中には、企業とコラボして商品をPRしたり、自身のブランドを立ち上げる人もいるなど、その影響力は日に日に大きくなっています。
では、インスタグラマーは、ブログで情報発信するブロガーや、YouTubeで動画配信を行なうYouTuberと何が違うのでしょうか?
ブロガーやYouTuberは、どちらかというと発信者自身にファンがつく傾向があります。
一方、インスタグラマーは発信者個人だけでなく、彼らが発信する「おしゃれなライフスタイル」や「役に立つ情報」そのものに共感する人が多いという特徴があります。
「インスタグラマー」と「インフルエンサー」。
どちらもSNS上で影響力のある人たちですが、違いはどこにあるのでしょうか。
イメージとしては、インフルエンサーという大きなグループの中に、インスタグラマーというグループが含まれると考えてください。
インフルエンサーは、YouTube、Twitter、インスタグラムなど、さまざまなSNSで活動し、それぞれのプラットフォームで影響力を持っています。
一方、インスタグラマーは「インスタ」の名の通り、インスタグラムに特化して活動し、そこで多くのフォロワーを獲得している人たちを指します。つまり、インスタグラマーはインフルエンサーという大きな枠組みの中のひとつのカテゴリなわけです。
このように、活動の場がインスタグラムであるかどうかが、インフルエンサーとインスタグラマーを区別するうえで重要なポイントになります。
項目 | インフルエンサー | インスタグラマー |
---|---|---|
定義 | SNS上で影響力を持つ人 | インスタグラム上で影響力を持つ人 |
活動場所 | YouTube、Twitter、インスタグラムなど、様々なSNS | インスタグラム |
インスタグラマーはフォロワー数によって、大きく4つに分類されています。
まず、マイクロインフルエンサーはフォロワー数1万人未満の人のことを指します。特定の地域や趣味を持つフォロワーが多く、親近感があるのが大きな特徴です。
次に、ミドルインフルエンサーですが、これは1万人~10万人程度のフォロワーを持つ人のことです。特定の分野で高い専門性を持ち、発信力も強い傾向にあります。
そして、マクロインフルエンサーは10万人~100万人程度のフォロワーを持つ人のことです。このインフルエンサーは、幅広い層への影響力を持つ存在で、認知を広げる際に有効です。
最後、メガインフルエンサーは100万人以上のフォロワーを持つ人のことを指します。このクラスは、芸能人や有名人などが多いです。絶大な影響力を持つ反面、目的によっては費用対効果が低い場合もあります。
また、インスタグラマーは投稿ジャンルで分類されることもあります。
たとえば、コスメレビューやメイク動画を得意とする美容系インスタグラマー、最新のトレンドコーディネートやアイテムの紹介を行なうファッション系インスタグラマー、おすすめの飲食店や食べ物の情報を発信するグルメ系インスタグラマーなどです。
企業は、自社の商品やサービスと親和性の高いジャンルのインスタグラマーを選ぶことで、より効果的なマーケティングを行なうことができます。
イメージで言うと、コスメブランドであれば、美容系のインスタグラマーに新商品のレビューを依頼したり、飲食店であれば、グルメ系のインスタグラマーに来店を促すような投稿を依頼したりする、といった具合です。
このように、インスタグラマーの投稿ジャンルに着目することで、ターゲットに響く効果的なプロモーションを展開できる可能性が高まります。
インスタグラマーを活用したマーケティングは、他の広告手法と比べて、ターゲティング精度が高い点が魅力です。なぜなら、インスタグラマーは特定の分野に興味関心を持つフォロワーを抱えているからです。
たとえば、コスメレビューが人気のインスタグラマーのフォロワーは、美容に関心の高いユーザーが多いです。そのため、化粧品PRを依頼した場合、従来の広告のように、不特定多数に広告を配信するよりも、効率的に商品に興味を持つユーザーへ訴求できます。
結果、商品の購買を促進できる可能性が高くなります。
基本、インスタグラマーとフォロワーの間には、すでに親密な関係性が構築されています。そのため、インスタグラマーを起用することで、そのフォロワーにまるで友達に勧められているかのような形で商品・サービスを訴求できます。
一般的に広告はユーザーに嫌悪感を抱かせます。ですが、インスタグラマーを介することで、嫌悪感を出さず、商品・サービスを紹介できるようになります。むしろ、インスタグラマーの投稿を見て、「そんな場所があるんだ!」「すごい良さそう!」と、好感を抱いてもらえる可能性も。
このように、インスタグラマーは広告臭の少ない、自然な形で商品やサービスをPRできるため、消費者の購買意欲を高める効果が期待できます。
インスタグラマーを活用したマーケティングは、従来の広告手法であるテレビCMや新聞広告などに比べて、低い費用で取り組めます。
また、商品・サービスの利用と引き換えにPRを依頼するといった方法もできることから、費用対効果が高い傾向にあります。
さらに、ターゲティング精度が高いため、広告費用の無駄を減らし、効率的に結果につなげられることが期待できます。
費用を抑えながら、高い効果を狙える点は、多くの企業にとって魅力的です。
インスタグラマーを起用する際には、いくつか注意点もあります。
企業がインスタグラマーにPRを依頼する際、忘れてはならないのが、ステルスマーケティング(ステマ)への対応です。ステマとは、広告と明示せずに、消費者に宣伝だと気づかれないように行なうマーケティング手法のことです。2023年10月1日より、ステマは景品表示法違反となり、企業は厳しい罰則を受ける可能性があります。
企業は、インスタグラマーとのタイアップの際には、投稿をブランドコンテンツという形にして、それが広告であることを明確に示す必要があります。また、投稿には必ず「#PR」あるいは「#プロモーション」のハッシュタグを設定しなければなりません。
インスタグラマーは影響力を持つ一方で、炎上リスクも孕んでいます。
たとえば、人気インスタグラマーが過去の不適切な言動を批判され、炎上してしまうケースは後を絶ちません。
企業がこのようなインスタグラマーを起用した場合、ブランドイメージの低下や、売上げ減少につながる可能性があります。
炎上リスクを最小限に抑えるためには、事前の調査が重要です。インスタグラマーの過去の投稿や活動内容をチェックし、問題となる要素がないか確認しましょう。
また、契約内容に、炎上時の対応を明確に記載しておくことも大切です。
インスタグラマーを探したいけれど、自社ではリソースが足りない、あるいは効率的に進めたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
そんなときに頼りになるのが、インフルエンサーマーケティング会社です。インフルエンサーマーケティング会社は、まさに「インスタグラマーのプロ」集団で、膨大な数のインスタグラマーの中から、商品・サービス、ブランドイメージにぴったりの人をアサインしてくれます。
また、単にインスタグラマーを紹介するだけでなく、キャンペーンの企画や効果測定、さらには契約交渉、リスク管理まで、幅広くサポートしてくれます。そのため、初めてインスタグラマーを起用する場合でも、安心して任せることができます。
この方法は、自社でインスタグラマーを探し、PRを依頼する方法です。
自社でインスタグラマーを探すなら、インスタグラムのハッシュタグ検索が有効です。
たとえば、化粧品の新商品をPRしたい場合、「#美容」や「#コスメレビュー」といったハッシュタグで検索してみましょう。そうすれば、コスメのレビューをしていて、一定のフォロワー数がいるユーザーを見つけることができます。ユーザーを見つけたら、DMでPRの依頼をかけます。
ちなみに、ハッシュタグ検索の際、「#〇〇コスメ(〇〇は具体的な商品名など)」といった、よりニッチなハッシュタグで検索すれば、自社の商品と親和性の高いインスタグラマーを見つけやすくなります。
この方法は地道な作業で時間がかかりますが、コストを抑えながら自社に最適なインスタグラマーを探せるというメリットがあります。
実際にインスタグラマーを選ぶ際は、次の3つのポイントに注目してみてください。
たとえば、ダイエット食品のPRを依頼したいとします。
もし、あなたがターゲットを20代女性に設定している場合、フォロワーの大多数がその層であるインスタグラマーを選ぶのがおすすめです。
なぜなら、インスタグラマーのフォロワーと企業のターゲット層が一致していれば、その商品・サービスに興味関心を持つユーザーを多く獲得しやすくなるからです。
結果、効果的な認知拡大、および購買につなげられる可能性が高くなります。
逆に、仮に筋トレ好きの男性が多いインスタグラマーを選んでしまった場合、自社の商品・サービスの情報が刺さらず、効果不良を招く可能性があります。
商品・サービスと投稿内容の関連性も非常に重要です。
たとえば、旅行好きなフォロワーが多いインスタグラマーに旅行用品のPRを依頼する場合を考えてみましょう。この場合、インスタグラマーの投稿を見ているフォロワーは、旅行に興味関心が高い可能性があります。
そのため、自然な形で商品やサービスをPRできるだけでなく、フォロワーも興味関心の高い情報を得られるため、双方にとってメリットがあります。
このように、インスタグラマーの投稿内容と企業の商品・サービスに関連性があれば、より効果的なPRにつながりやすいです。インスタグラマーを選ぶ際に注意してチェックしましょう。
インスタグラマーを選ぶうえで、フォロワー数と同じくらい重要なのが「エンゲージメント率」です。
エンゲージメント率とは、投稿に対するいいねやコメント、保存などの反応率のことを指します。この数値が高いほど、インスタグラマーの投稿がフォロワーから注目され、反応を得られていることを示します。
ただフォロワー数が多いだけのインスタグラマーよりも、フォロワーが積極的に反応してくれるインスタグラマーのほうが、企業のPR効果が高いです。インスタグラマーマーケティングをより効果的なものにするためにも、エンゲージメント率は必ず確認しましょう。
インスタグラマーを上手に活用することで、商品・サービスの認知拡大や購買促進を実現しやすくなります。
ぜひ、商品・サービスのPRの手法のひとつとして、インスタグラマーの起用を考えてみてください。
この記事の監修
Instagram運用ディレクター
鈴木
これまでに100社以上のInstagram運用を支援。企画力に定評があり、現在も指名される形で数十社のアカウント運用をサポート中。
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