最終更新日:2022.10.13
本記事では、インスタグラムを活用した販促効果を導くためのコツ、自社商品を紹介する際の工夫の仕方を解説します。インスタグラムで商品の認知拡大、ユーザーの購買意欲向上を実現し、販売促進につなげたい方はぜひお役立てください。
目次
弊社が実施したInstagramを日常利用※1している20代ー30代の女性300人を対象としたウェブアンケート調査では、Instagramの利用目的を尋ねた質問において、およそ150人の女性が「興味がある商品の情報を探すため」と回答しました。30代の女性に絞ると、半数以上の人が商品の情報を探すためにインスタグラムを利用していることがわかりました。
関連記事:20代ー30代の女性の6割が「Instagramの情報をきっかけに商品を購入したことがある」と回答 Instagram活用は企業にメリット大
弊社で実施した調査は20代ー30代の女性に限定したものでしたが、インスタグラムで商品やサービスに関する情報収集を行なうユーザーは今、すべての年代で増加傾向にあります。このことから、運用方法によっては自社商品の販促効果を得ることも決して夢ではありません。
※1:1日に1回以上利用
米国ではチェックアウト機能が実装され、ユーザーはアプリ内で購買活動を完結させることができますが、日本ではまだチェックアウト機能が実装されていません。したがって、ユーザーの購買行動は、ECサイト(ショップを含む)で行なわれます。インスタグラムを経由しECサイトに移動後、そこで購買する流れとなります。この流れは販促成功までのステップでもありますので、覚えておきましょう。
①各種投稿→アプリ内の商品詳細ページ→ECサイトまたはショップ
②プロフィールURL→ECサイトまたはショップ
まずは、アカウント構築のポイントを解説します。完成度の高いアカウントを構築することで、販促効果を導くための土台が整います。イチから運用を始める場合は、ぜひ参考にしながらアカウントづくりを進めてみてください。すでにアカウントを制作済みの場合は、見直すべきところがないかチェックしてみてください。
ターゲットを設定することで、誰に対して情報を届けるかということが明確になり、効果的なコンテンツを制作することができます。また、後述しますが、アカウントのトーン&マナー(トンマナ)を統一しやすくなります。多くの場合、販促でインスタグラムを活用するという時点で商品が存在し、すでにターゲットも決まっているはずです。それをそのままインスタグラム運用のターゲットに設定してもよいです。
KPIとは、ゴールの達成度合いを示す指標のことです。ゴールを達成するまでには、いくつか満たすべき要件がありますが、それをKPIとして設定します。KPIの内容はゴールによって変わりますが、一般的には
が設定されます。販促でインスタグラムを活用する場合、基本的にはインスタグラムを経由したECサイトへの訪問数が目標に設定されるので、KPIは「プロフィールURLのクリック数」や「エンゲージメント率(いいね、コメント、保存など)」が置かれることが多いです。また、運用をしているとKPIにズレが生じることもあるので、そうしたときは都度、調整します。
プロフィールはアカウントを訪問してくれたユーザーが一番最初に目にする部分です。ここの完成度次第で、ユーザーの第一印象が決まると言っても過言ではありません。プロフィールの完成度はプロフィール文だけでなく、連絡先オプションやハイライトの有無、コンテンツの内容も含みます。つまり、プロフィール全体の情報を充実させることで、ユーザーの興味関心を引き出し、ポジティブな印象を抱いてもらえる状態にする必要があります。
プロフィール文では、誰に対して何の情報を届けるかということを明確にすることが大切です。そうすることで、ユーザーの自分事化を促すことができます。ユーザーにフォローするメリットがあると思ってもらえれば、フォロワーになってもらえる可能性も上がります。コンテンツの拡散も積極的に協力してくれるようになるでしょう。また、拡散や購入への誘導文を記載することもポイントです。
連絡先オプションは、「メール」「電話番号」「ビジネスの住所」「WhatsApp Businessの電話番号」の情報を設定できる機能です。お問い合わせ先として設定しておくことで、商品に関する不明点などがあったユーザーは、スムーズにビジネス側に連絡することができます。また、連絡先を設定しておくことは、ビジネスに対するユーザーの信頼性向上にも寄与してくれます。
ハイライトとは、ストーリーズでシェアした動画をまとめておける機能です。動画を組み合わせてカテゴライズすることもできます。ハイライトでまとめた動画は、プロフィールにアイコンで表示され、いつでも閲覧できるようになります。また、ストーリーズにはウェブサイトのURLを設定できますが、それはハイライトにも受け継がれます。そのため、ハイライトを活用することで、販促効果に結びつけられる可能性があります。
一般的に投稿の部分は、ビジュアルが統一されていることが望ましいとされています。確かにデザインや並び順が統一されていると、見栄えがすっきりし、トンマナが揃います。ですが、無理してでもビジュアルを統一しなければならないかと言うと、そういうわけでもありません。投稿の部分については、デザインの統一よりもコンテンツの統一、つまり発信する情報のタイプが一貫しているかどうかのほうが重要です。
たとえば、メンタルヘルスに関するお役立ち情報を発信するアカウントとして立ち上げたにも関わらず、随所にメンタルヘルスとは全く関係のないコンテンツがあると、アカウントの一貫性が崩れ、完成度が低くなる可能性があります。ターゲットの興味関心を引き出すためにも、コンテンツの内容には一貫性を持たせることを心がけましょう。これは、エンゲージメントにも影響するポイントです(エンゲージメントの向上については後述します)。
インスタグラムのコンテンツにはいくつかタイプがありますが、現在主要なのは以下の4つです。
ハウツー型:役に立つ情報を発信したコンテンツ
エンターテイメント型:見てて楽しいと思えるコンテンツ
ユーザー参加型:ユーザーと交流するためのコンテンツ
プロモーション型:商品、サービスに関する情報を発信したコンテンツ
販促の場合、プロモーション型を取り入れることが多いですが、必ずしもひとつに絞る必要はありません。ターゲットの属性や訴求方法に応じて複数のタイプを織り交ぜるとよいです。
たとえば、顕在層(商品の情報を探した結果、自社のアカウントを訪問した層)へ向けたコンテンツとしてプロモーション型、潜在層(悩みの解決方法を探した結果、自社のアカウントを訪問した層)へ向けたコンテンツとしてハウツー型というように、訴求対象に応じてコンテンツのタイプを選ぶとよいでしょう。
なお、コンテンツの内容に一貫性を持たせることが重要だと上述しましたが、テーマがブレていなければ、コンテンツのタイプが揃っていなくてもかまいません。
販促効果を導く運用のポイントは3つあります。
・リーチを増やす
・エンゲージメントを増やす
・UGCを増やす
インスタグラムで言うリーチとは、投稿を見たユーザーの数を意味します。「リーチを増やす=コンテンツを閲覧してくれるユーザーを増やす」という式が成り立ちます。リーチを増やすには、大きくわけて2つの方法があります。
・検索機能での露出向上
・自社またはユーザーによるコンテンツの拡散
それぞれの方法について説明します。
インスタグラムの検索機能では、検索窓に打ち込まれたキーワードとの関連性が高いコンテンツがファーストビューに表示されるようになっています。
上記の画像のように検索窓にキーワードを入力して検索すると、アルゴリズムによって求めているであろう情報を表示してくれます。また、検索機能には5つのタブが用意されており、左から順に「一覧」「アカウント」「ミュージック」「ハッシュタグ」「地図」となっています。インスタグラムを利用するユーザーは、自身が欲しい情報を探す際、検索機能を使用します。検索機能で露出を増やすことで、そうしたユーザーにコンテンツを発見してもらうことができます。それが、リーチ数の増加につながります。
検索機能においてコンテンツの表示順を決定する要因はいくつかあります。ですが、その中でも重要な要因とされているのが、「ハッシュタグ」と「エンゲージメント」です。コンテンツの内容と関連性が高いハッシュタグを精査し、それを投稿に設定すること、投稿のエンゲージメント(いいねやコメント、保存など)を増やすことで、アルゴリズムの評価が上がり、検索機能での露出向上を期待できるようになります。
自社のウェブサイトやSNSと連携し、インスタグラムでアップしたコンテンツをシェアすることで、より多くのユーザーにコンテンツを認知してもらうことができます。また、ユーザーにコンテンツをリポストしてもらったり、インフルエンサーにブランドコンテンツという形で宣伝してもらったりすることで、そのユーザーやインフルエンサーのフォロワーにコンテンツを認知してもらうことができます。特にインフルエンサーについてはフォロワー数が多いので、そのぶんリーチ数の増加を見込めます。さらに、インフルエンサーによる宣伝については、高い販売促進効果を期待することもできます。
投稿に対するいいねやコメント、保存などのアクションを総称してエンゲージメントと言います。エンゲージメントはその投稿に対するユーザーの評価です。つまり、ユーザーから高く評価してもらえるコンテンツを発信すれば、エンゲージメントを増やせることにつながります。エンゲージメントを増やすには、ユーザーメリットが明確に伝わるコンテンツを発信することが重要になります。
UGCは、ユーザー自身が主体性をもって生成したコンテンツのことです。口コミやレビューなどが主なUGCとしてあげられます。UGCはユーザーが購買行動を起こす際の重要な情報源となります。UGCを増やすことで、ユーザーの購買行動を促す効果を期待できます。UGCを増やす際はハッシュタグを活用したキャンペーンが効果的です。以下、ハッシュタグを使ったUGC増加施策の手順をご紹介します。
まずは、自社オリジナルハッシュタグを作成します。プロフィールや投稿などで、そのハッシュタグとハッシュタグキャンペーンの詳細を記載します。キャンペーンの詳細は「指定のハッシュタグを使ってコンテンツを投稿してくれたユーザーの中から抽選で商品をプレゼント」というようなものでよいでしょう。その後、実際にオリジナルハッシュタグを使って投稿してくれたユーザーを調査し、抽選で商品をプレゼントします。
オリジナルハッシュタグを作成後、実際に商品を購入してくれたユーザーに向けて、商品と一緒にハッシュタグを送付します。購入のお礼とともにハッシュタグとキャンペーンの内容を伝えるとよいでしょう。そのハッシュタグと商品をインスタグラムに投稿してくれたら次回使用できるクーポンなどを発行します。ほかにも、店頭にハッシュタグとキャンペーンの詳細を説明したポップなどを用意し、UGCを生成してくれるユーザーを募集してもいいでしょう。
ここで説明したポイントを満たす運用をすることで、商品の認知を促すことができたり、ユーザーと信頼関係を築けたり、ユーザーに購買意欲を持たせたりする働きを期待できます。ただし、販促効果を導くためには、もうひとつやっておきたいことがあります。それが、ショッピング機能の導入です。
ショッピング機能は、フィードやストーリーズ、リールから商品詳細ページを経由し、ECサイトなどに移動できる機能です。この機能を導入しておくことで、投稿を見て商品に興味を持ったユーザーをスムーズに自社ECサイトに誘導することができます。
ショッピング機能を導入していない場合、ECサイトへの導線がプロフィールURLくらいとなり、販促効果に悪影響が出る可能性があります。ユーザーをスムーズに目的の場所に誘導するためにも、ショッピング機能は必ず導入しておきましょう。
・ショッピング機能の導入方法についてはこちらの記事をご覧ください。
販促目的のインスタグラム運用では、商品紹介が欠かせません。実際に商品の情報をコンテンツ化し、投稿する際はビジュアルとテキストで細かく商品に関する情報を発信しましょう。特にフィード投稿は最大10枚まで投稿できるので、1投稿で複数枚のコンテンツを投稿するのがおすすめです。
たとえば
・商品の全体像
・アップ画像
・使用画像
・商品の動画
・使用シーンの動画
・おすすめの使い方
などの情報を発信すると、よりユーザーの興味関心を引き出しやすくなります。
最近では、UGCを使った投稿(着用画像紹介など)を取り入れるブランドも増えています。UGCを使った投稿をすることで、ユーザーと一緒に作るアカウントのようなイメージとなり、ブランドのコアファンを増やせることが期待できます。企業アカウントに紹介されて嫌悪感を示すユーザーはそういないはずですので、UGCを活用した投稿も取り入れてみてください。
ペット用品を扱っているブランドで、インスタグラムでは商品の宣伝で活用しているようです。プロフィールでは、メンションやハッシュタグの活用を誘導する文言を記載し、UGC生成を促しています。また、コンテンツは実際の着用シーンを発信することで、商品を利用したときのイメージをしやすいものとなっています。商品のかわいさも伝わり、ユーザーの購買意欲を掻き立てるアカウントとなっています。
インスタグラムを使って気になる商品の情報を探すユーザーが増えている今、ビジネスにとってインスタグラムを活用することのメリットは大きいと言えます。安定した販売チャネルを増やすためにも、ぜひインスタグラムの活用に挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修
Instagram運用ディレクター
鈴木
これまでに100社以上のInstagram運用を支援。企画力に定評があり、現在も指名される形で数十社のアカウント運用をサポート中。