最終更新日:2022.10.25
本記事では、飲食店が取り入れたいインスタグラムの上手な活用方法を解説します。インスタグラムを使った集客促進、販売促進を成功させるうえで必要な機能や運用のコツなどをご紹介するので、これからインスタグラムを活用しようと思っている、今まさに活用しているけどなかなか効果を感じられない、という飲食店経営者、マーケティング担当者はぜひお役立てください。
目次
かつてユーザーはキレイでおしゃれな写真、いわゆる”映え”な写真を閲覧する目的でインスタグラムを使用していました。ですが、現在では単純に写真を閲覧するだけでなく、興味関心のある情報や自分の生活に役立つ情報を探す”場所”として使うようになりました。むしろ、今では後者の使われ方のほうが主流となりつつあります。
このようなユーザーの行動変容により、近年では企業がマーケティングでインスタグラムを取り入れる動きも活発になっています。この動きは飲食店ビジネスでも見られ、ビジネスアカウント(ビジネスプロフィール)を開設し、自社ブランドの認知拡大、商品の販売促進につなげる飲食店が増えてきています。
インスタグラムを活用する飲食店を後押しするように、インスタグラムを通じて飲食店の予約をするユーザーも増加傾向にあります。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000023564.html
また、飲食店関連のハッシュタグで検索すると、何万件もの情報がヒットします。
たとえば、
となっています。
少し絞ったキーワードでの検索でも数万件〜数千万件もの情報が出てきます。これは、多くのユーザーが飲食に関心を持ち、インスタグラムで情報を発信していることを意味します。
インスタグラムには飲食店のインスタグラム活用を効果的なものにする機能が用意されています。
インスタグラムにはアクションボタンという機能があります。この機能はプロフィール画面に任意の遷移先URLを設定し、ユーザーがスムーズに各種アクションに移れるようにしているものです。「Order Food」「予約する」「席を予約する」の3つのボタンが用意されており、ビジネス側はゴール(ユーザーをどこに誘導したいか)に応じてボタンを設定します。
飲食店の場合、関係性の深いボタンは「料理を注文」と「席を予約する」の2つです。料理を注文ボタンは、フードテイクアウトとフードデリバリーに対応しているもので、テイクアウト・デリバリーサービスの加盟店になっていることで、インスタグラムを通じてテイクアウトまたはデリバリーの注文を受けられるようになります。
また、席を予約するボタンはグルメサイトとの連携によって来店予約を受け付けできるようになるものです。どちらの機能も飲食店にユーザーを集めたり、料理の注文を促したりする際に大きく貢献してくれます。飲食店のインスタグラム活用で欠かせない機能と言えます。
地図検索機能はアプリ内で地図上の位置情報に基づいて近くのスポットを検索できるものです。たとえば、地図の位置を渋谷駅にあわせて、カテゴリのひとつである「レストラン」ボタンを押すと、渋谷駅周辺にあるレストランが地図上に表示されます。
また、カテゴリ検索のほか、任意のキーワードによるスポット検索も可能です。検索バーに居酒屋と入力すると、「#居酒屋」が検索結果に候補としてあがります。それをタップすることで、地図上に近くの居酒屋が表示されます。地図検索機能では飲食サービスも検索できることから、インスタグラム活用に取り組む飲食店にとっては重要な機能となりえます。
アクションボタンと地図検索機能はユーザーの飲食店利用を促してくれます。飲食店のインスタグラム活用では必須の機能と言えるでしょう。
ユーザーの飲食店利用を促すためには、2つの目標を達成することが重要になります。
①店舗の認知拡大
②店舗への集客促進
では、店舗の認知拡大、集客促進につながるアカウント運用のポイントを解説します。
インスタグラムにはハッシュタグ検索という検索機能があります。ユーザーはインスタグラムで興味関心のある情報を探す際、基本的にはハッシュタグ検索を使います。ハッシュタグ検索において、投稿を上位表示させ、露出を高めることで、効果的にアカウントの認知拡大を図れます。弊社のこれまでの検証の結果、ハッシュタグ検索において投稿を上位に表示させるためには
・キャプションにキーワードとハッシュタグを設定する
・ユーザーのアクションを促す良質なコンテンツを提供する
この2つが鍵になると考えられます。
検索バーに入力されたキーワードと同じキーワードとハッシュタグを投稿文に設定することで、関連性が高いことをインスタグラムのロボットに示すことができます。それが、上位表示化を実現する重要なシグナルとなります。また、クリック数やいいね数、保存数などのアクションも、上位表示の可能性を上げるポイントのひとつです。ユーザーに反応してもらえる良質なコンテンツを発信することを意識しましょう。
※インスタグラムの検索機能については『インスタグラムの検索機能のしくみとは?』で解説しています。角煮に目を通しておくことをおすすめします。
これまでインスタグラムでは、ハッシュタグ検索が主流の検索方法でしたが、2021年11月時点で複数のキーワードにおいて、キーワード検索の挙動が見られるようになりました。今後はハッシュタグ検索と同様、キーワード検索もよく使われるようになると考えられます。
現時点ではキーワード検索において上位表示化を実現するアプローチを明確にできていませんが、おそらくハッシュタグ検索と同様のシグナルであろうと考えられます。店舗の認知を広げるためにもキーワード検索の対応も意識しておくとよいでしょう。
発見タブはユーザーの興味関心に応じて最適なコンテンツが表示される機能です。機能上、意図的に露出度を上げることは難しいですが、発見タブにおいて投稿が上位に表示されれば、店舗の認知拡大を加速させることができます。
特に発見タブをよく使用するユーザーは、検索方法がタグるからタブるに変化しつつあるZ世代とされています。ターゲットがZ世代の飲食店は発見タブでの露出度を高めておきたいところです。
Instagramによると、発見タブでの表示順は「投稿の人気度」「ほかユーザーとのやりとりの履歴」「アクティビティ(行動)」「投稿者に関する情報」の4つが重要なシグナルになると言います。これを大まかに言うと、ユーザーから好評を得るコンテンツを用意し、そのコンテンツが多くの反応を獲得することで、まだ店舗の存在を知らない、特定のユーザーの発見タブに投稿が表示される可能性が高くなります。
また、発見タブにおいて飲食関連のコンテンツが出てくるのは、基本的には普段から飲食関連のコンテンツを閲覧していたり、飲食関連のアカウントをフォローしていたり、飲食関連のコンテンツに好反応を示していたりするユーザーに絞られます。そうしたユーザーの興味関心をひくコンテンツを用意し、投稿の露出を高めるようにしましょう。
※発見タブを利用するユーザーは、暇つぶしであることが多いと明らかになっています。ただし、発見タブを利用するユーザーは、発見タブで見つけた投稿をきっかけに購入意欲が高くなるという特徴もあります。さらに、購入意欲が高くなるきっかけとなった投稿は、その後、保存しておくようです。
インスタグラムで数千、数万、数十万に及ぶフォロワーがいる人のことをインスタグラマーと言います。インスタグラマーに店舗のPRをしてもらうことで、そのインスタグラマーのフォロワーや、リポストによってそのフォロワーのフォロワーに店舗の存在を知ってもらうことができます。店舗の認知拡大を図るうえで、インスタグラマーの活用は重要な施策になると言えます。
ただし、インスタグラマーの選び方を間違えると、期待する成果を得られなくなるケースも。たとえば、自動ツールなどを使って増やしたフォロワーが多ければ、効果的なPR施策とはなりません。そうしたインスタグラマーは投稿の反応があまり高くないという特徴があります。依頼前に確認することをおすすめします。
また、PR施策には「企業とのタイアップタグ」の設定が必要といったルールもあります。インスタグラマー施策をうつ際は、そうしたルールの確認も忘れずにおこないましょう。
今やインスタグラムを利用するユーザーの意図は多様化し、好反応を獲得できるコンテンツもさまざまで、同じターゲットでもコンテンツによって反応を得られる場合と得られない場合があります。
ですが、弊社のこれまでの検証の結果、飲食関連のコンテンツでユーザーの目に止まり、好反応を獲得しやすいのは、その多くがシズル感のあるコンテンツ(シズル画像)の傾向にあります。シズル感とは、購買意欲や食欲を刺激するような、みずみずしい感覚のことです。
日々の投稿では、ユーザーがそのような感覚を持つコンテンツ(料理の写真)を発信していきましょう。それが、利用意欲を向上させ、集客増進につながります。
ユーザーとコミュニケーションを取ることには、以下のようなメリットがあります。
これらのメリットは、ユーザーの店舗への興味関心度を上げ、来店促進に貢献してくれます。積極的にユーザーとコミュニケーションを取り、集客を有利に進めましょう。
インスタグラムにおいてユーザーと交流できる手段は主に3つあります。
・コメント
自社投稿に対してコメントしてくれたユーザーに返信すること、また自社に関する投稿(商品や感想など)をしてくれたユーザーにコメントすることを意味します。
・DM
ダイレクトメッセージでユーザーと直接、コミュニケーションを取ることを意味します。
・UGCのリポスト
自社に関する内容を発信したユーザーの投稿を自社アカウントでリポストという形で紹介することを意味します。
運用に割けるリソース(時間や人員など)を考慮しつつ、自社に最適な交流手段でユーザーとコミュニケーションを取りましょう。
ただし、ユーザー個人と直接やりとりするDMは、リソース不足や運用難易度の観点からあまり取り入れられません。基本的にはコメントとUGCリポストによるコミュニケーションが推奨されます。
ユーザーが飲食店に新規で来店する動機は複数ありますが、そのなかのひとつがお得感です。サービスに関するお得な情報は、もともと店舗に興味関心を持っていたユーザーの飲食店利用を促せることにつながります。
定期的にフィードやストーリーズでキャンペーン情報をアップしましょう。また、既存客の再利用を促すという観点から、新メニューや期間限定メニュー、空席状況などの情報を配信することもポイントです。
小さい店舗ながら2.2万人ものフォロワーがいるアカウントです。定期的にストーリーズ投稿でUGCのリポストをあげており、積極的にユーザーとコミュニケーションを取っているイメージです。また、イベント情報や商品の販売情報は、必ずフィード/ストーリーズの両方でアップしており、ユーザーがフォローするメリット(アカウントをフォローしていれば新しい情報が手に入る)が明確となっています。
飲食店系のアカウントは、シズル画像をアップしていると反応が良い傾向にあり、このアカウントもシズル画像メインの投稿で同業他社に比べると、多くのエンゲージメントを獲得できている印象です。また、ストーリーズを頻繁にあげており、新メニュー情報のほかに、店主やスタッフの投稿もしており、お店のアットフォームの感じがわかるのもポイントです。
ほぼ毎日営業時間とおすすめメニューを載せており、写真もシズル画像で、キーワード検索したときに目にとまりやすく、お店を知らないユーザーも「ハンバーガーなどビックワード検索からの流入」→「いいねなどの反応」につながっていることが考えられます。また、レストランをインスタグラムで探すユーザーは「場所+グルメ」でキーワード検索することが多いのですが、このアカウントの投稿もその動きを考慮しているのか、「場所+グルメ」のハッシュタグを多くつけています。そのためインスタグラムをきっかけに来店などにも結びついているのではないかと推測されます。
プロフィールはユーザーが一番最初に見る部分です。ここで、店舗に関する情報を伝えることで、ユーザーの飲食店利用につなげやすくなります。
最低限、上記の内容を盛り込みましょう。また、それと同時にお店のアピールポイントなども記載するとよいでしょう。
今やインスタグラムは発見から予約までの購買行動をアプリ内で完結できるSNSとなっています。ユーザーもインスタグラムを通じて飲食店に興味関心を持ち、最終的に利用(テイクアウト、デリバリー、来店)まで進んだりしています。ぜひインスタグラムを上手に活用し、店舗の認知拡大、集客促進につなげていきましょう。
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この記事の監修
Instagram運用ディレクター
鈴木
これまでに100社以上のInstagram運用を支援。企画力に定評があり、現在も指名される形で数十社のアカウント運用をサポート中。
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